養育費が支払われない!未払いの養育費を回収する方法をご紹介!

公開日:2023/01/01  最終更新日:2023/07/21

お子さんがいる夫婦が離婚することになった際、問題になりやすいのが養育費についてです。養育費とは子どもが社会的に自立するまでに必要な費用のことですが、離れて暮らすことになっても親として養育費を支払う義務があります。この記事では、養育費の支払い義務者から支払いがなくなった場合の対処法をご紹介します。

養育費が支払われないときの対処法

まず前提として、養育費とはどういったものなのかを紹介します。養育費とは、まだ未成熟な子どもが社会的に自立するまでにかかる費用のことです。親は養育費を支払う法的義務があり、この義務は離婚しても免除されません。ちなみに、未成熟子とは未成年に限らず、経済的・精神的にまだ自立できていない子どものことを指します。

養育費に含まれるものは、衣食住に必要な費用、教育費、医療費など子どもの生活にかかる費用全般です。では、離婚時に養育費の取り決めをしたにもかかわらず、支払いがされないとき、どういった対処をとればよいのかをご紹介します。

︎義務者に連絡をして話す

養育費の支払いがされない場合、まずは支払い義務者に連絡して話をしましょう。数日や数週間支払いがない場合などは、単に忘れていたというケースもあります。相手との関係が良好なら、連絡だけで解決できることも多いです。

︎当事者間で解決しないときは家庭裁判所に申し立てる

養育費の問題は直接的にお金が絡むので、当事者間だけの話し合いではうまくまとまらないこともよくあります。養育費の支払いをしないことで、刑事罰に問われることはありません。

養育費の問題について第三者を交えて解決したいときは、家庭裁判所に申し立てを行い、調停をします。調停はあくまで話し合いの解決を目指すので、お互いの合意が得られないこともあります。

調停で解決しないときは、同じく家庭裁判所で審判がなされ、判決がくだされます。判決に従わない場合は、履行勧告・履行命令が義務者に督促されます。勧告に強制力はありませんが、裁判所からの督促なので期待はできます。

それでも支払わない場合は、履行命令が義務者にいきます。履行命令に従わないときは、10万円の過料に処せられることがあります。しかし、裁判所の判断によるので、やむを得ない事情があるケースなどは絶対ではありません。

養育費を確実に支払ってもらう方法

ここまで、養育費が支払われない場合の基本的な対処法を紹介しました。しかし前提として大切なのは、支払いが滞ったときに相手方に非があると認めてもらい、支払いしてもらえるような準備をしておくことです。

離婚時に養育費について取り決めをすることが一般的ですが、そのときは冷静に話せたからといって口約束だけで済ませてしまうと、いざというときに言った言わないの問題になってしまいます。そうならないために、公正証書で取り決めをしておくことをおすすめします。

︎離婚公正証書を作っておく

公正証書とは、公証人と呼ばれる人が作成する証明書で信用性が高く、問題が起きたときに強制執行をする力にもなります。離婚公正証書は、離婚に関する取り決めの合意書を公的に証明するものです。

第3者が作成し、原本は役場で保管されるので安心・安全です。また、いざというときに強制執行力があるので、相手方にも養育費の支払い義務をしっかり感じさせることができます。

離婚公正証書の作り方ですが、離婚に関する取り決めをした離婚協議合意書を役場に持っていき、公証人に公正証書を作成してもらいます。基本的には夫婦で行く必要がありますが、早い段階で弁護士などの専門家に相談し、代理を依頼するのもおすすめです。

それでも支払われないときの養育費を強制的に回収する方法

話し合いや調停をしても相手から養育費が支払われない場合は、強制的にでも養育費を回収したいと考えるでしょう。強制的に養育費を回収するとは、具体的には相手の財産や給料を差し押さえることです。

この差し押さえを行うために、公的な書類が必要です。公正証書・調停調書・審判書・判決書など、相手方が債務者であることが証明される文書があれば、強制執行を行うことができます。とくに、給与の差し押さえを行う場合、相手方が勤めている会社に事情を知られるので、スムーズに支払いをしてくれることもよくあるためおすすめの方法です。

養育費の差し押さえをするには

厚生労働省が2019年に実施した調査において、年間の離婚件数が約20万9千件と発表されています。一方で年間の婚姻件数は約60万件なので、おおよそ3組に1組が離婚しているとわかります。

そして、離婚する夫婦の間に未成年の子どもがいる場合、子どもと同居する親のことを監護親、子どもと同居しない親のことを非監護親と言います。監護親は子どもと同居するので自然と子どもの生活費を負担することになります。

ただ、同居しない親も、非監護親になったからといって、子どもに対する一切の費用を負担しなくてよいわけではなく、基本的に養育費の支払い義務が生じます。

ただ、離婚時に養育費についてきちんと話し合ったとしても、支払いが滞るケースがあるでしょう。実際に養育費を受給している母子家庭は4世帯に1世帯となっており、必要なお金を受け取れていないケースも珍しくないのです。

このような場合、支払義務者に対して差し押さえをすることで、養育費を確保できるかもしれません。ただし、差し押さえをするのは3つの条件を満たす必要があります。

まず、一つ目の条件が、相手に支払い能力があることです。というのも、単に支払いを忘れていたり、拒否したりしている場合は差し押さえの対象になりますが、金銭的余裕がなければ差し押さえしたとしても物理的に支払えないからです。

二つ目の条件が、支払義務者の住所を把握していることです。差し押さえをするうえで、相手の住所がわからなければ手続きを進められません。もし住所がわからなければ、弁護士に調査してもらう方法があります。

そして三つ目の条件が、債務名義を持っていることです。債務名義とは、強制執行できる権利を示す公的文書のことであり、入手しなければ手続きを進められません。

養育費を差し押さえる方法

差し押さえをする際、最初のステップは必要書類を集めることです。たとえば、債務名義や当事者目録、相手の会社の住所が記載された資格証明書などが必要になります。必要な書類が揃ったら、裁判所に対して差し押さえの申し立てを行います。

何を差し押さえるかによって申立先が異なり、相手の給料を差し押さえる場合は勤務先を管轄している裁判所、口座を差し押さえる場合は口座を管轄している裁判所が対象となります。申し立て費用は収入印紙4,000円と数千円分の郵便切手代が必要です。

無事の手続きが完了すると、裁判所から支払義務者に対して差し押さえ命令が出されます。給与口座を差し押さえるときは、相手の勤務先に通知書が送られます。

通常、勤務先に差押命令書が出されたときは、職場が債権者と話し合い、どのような方法で支払いを進めていくかが話し合われます。そして、無事に支払いが行われたら、崔弁所に完了届を出して終了となります。

養育費を差し押さえるときの注意点

養育費の差し押さえをする際、注意点も理解したうえで手続きを進めることが重要です。

まず、裁判所は債権差押命令を出すことはできますが、取り立て行為に関わることはありません。さらに、自動で養育費が振り込まれるわけではないので、差押命令を受けても、相手が無視して支払われない可能性があります。

また、給与口座を差し押さえる場合、給料の全額を差し押さできるわけではないことも注意点といえます。相手にも生活があるため、給与から税金や社会保険料などを差し引いた金額の2分の1が相当額となります。

なお、差し押さえの手続きは決して簡単ではありません。必要書類を揃えるのもむずかしいので、自力で手続きをするのが困難な場合は弁護士に依頼するのが一般的です。ただし、手続きを進めるのにかかった弁護士費用を相手に請求することはできず、自己負担になることを覚えておきましょう。

ただ、弁護士費用がかかったとしても、相手からきちんと養育費をもえらえれば、長い目で見るとプラスになるでしょう。そのため、相手が支払う意思がなければ、状況を放置するのではなく、弁護士費用をかけてでもできるだけ早く手続きを進めることをおすすめします。

養育費が支払われないときの注意点

最後に、養育費が支払われないときの注意点を紹介します。気持ち的なことにはなりますが、まずは冷静に相手に対応することです。決めたことを守ってくれない相手に苛立ったり、失望したりしてしまうこともあるかもしれませんが、怒りに任せて下手な行動をしてしまうと、自らが不利な状況を作ってしまう危険性もあります。

そのためにも、ひとりで悩みを抱え込まず、まわりの人や専門家に相談をしましょう。お金はかかっても、手間や時間を考えると、弁護士に相談するメリットは大きいです。

また、支払いがないのは困るが、対処の仕方が分からないからといって放置しておくのもよくありません。時効もあるうえ、一定期間放置しておくことで、調停や審判の際になぜ放置していたのかを突き詰められる可能性もあります。難しい問題ではありますが、支払いが止まったときは、少しでも早く対応しましょう。

まとめ

この記事では、養育費が支払われないときの対処方法、強制的に回収する方法、回収の際の注意点などをご紹介しました。養育費は、我が子のための費用です。離婚しても自分の子どもであることに変わりはないので、基本的には子どものためと思って払う方がほとんどでしょう。

しかし、親にもそれぞれの生活があります。支払いがなくなると焦るでしょうが、どんな理由があるのかは相手から聞かないと分かりません。まずは連絡を取り、冷静に対応して、できることなら大事になる前に早い段階で解決してください。話にならない場合などは、専門家や法律を頼り、正しく養育費を受け取りましょう。

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