再婚したら養育費は減額される?減額が可能になる条件とは
公開日:2023/01/01 最終更新日:2023/01/12
日本は少子高齢化社会といわれています。その原因の一つとして、年々減少しているといわれている婚姻率(結婚)があります。その結婚と切っても切り離せない関係にあるのが離婚です。その離婚と深く関係してくるのが養育費になります。今回は養育費の中でも、再婚したときの養育費の変化について少し深掘りします。
再婚したら養育費は減額される?
初めに「再婚したら養育費は減額されるのか?されないのか?」と疑問に感じる方もいるでしょう。実際に「自分が再婚したらこれまでのように養育費はもらえなくなるのか」という質問も寄せられています。こちらの疑問についてお答えすると、再婚したからという理由だけでは養育費には影響がなく、減額されるわけではありません。
自分が結婚しても、元配偶者が結婚しても子どもとの親子関係が変わることはなく、子どもを扶養していくという義務は続いていくからです。ただし、場合によっては養育費に影響をおよぼし、減額されるケースが存在します。下記で、そのケースについて詳しく解説します。
養育費が減額になる条件
では、実際にどんなケースで養育費が減額となるのでしょうか。下記で説明します。
養育費を受け取っている側が再婚して、再婚相手が子どもと養子縁組になる
再婚相手が養子縁組をした場合、再婚した相手が子どもの親権者、つまり第一次の扶養義務者となり、子どもを扶養する義務を負うことになります。
そして、再婚相手の収入によって、生活が大幅に改善されたと判断された場合は、減額になる可能性が高くなり、場合によっては免除になることもあります。どのくらい減額されるかは、再婚相手の収入状況などによって変わってきます。
元配偶者の再婚相手の収入が少ない場合
元配偶者が再婚し、再婚相手が仮に収入がなかった場合、養育費の減額などの可能性が生じてきます。理由は、再婚相手を扶養することで元配偶者の扶養負担が大きくなるからです。
もちろん、現在の収入にも左右されるので必ず養育費が減るわけではありません。状況によって養育費が減額になる可能性があるということになります。ちなみに、逆に支払う側の収入が大幅に増加すると養育費の増額が認められるケースがあるので、ぜひ覚えておいてください。
養育費の減額を請求する方法
次は実際に養育費の減額を請求する方法です。上記のような理由で減額をしたいときはどうしたらよいのでしょうか。
まずは話し合う
最初は本人たちで話し合うところから始めましょう。話し合いは自分の要望、意見をはっきり伝えることが大切です。それと同時に自分の意見だけでなく、相手の意見も尊重して、お互いが納得するまでしっかり話し合いましょう。
話し合いで解決した後は、余計なトラブルになりにくいように公正証書できちんと取り決めた内容を残しておくことが大切です。
話し合いでまとまらなければ調停の申し立て
当事者同士で話し合っても養育費は難しい問題のため、なかなか解決できない場合が多いです。その際は家庭裁判所に養育費減額調停を申し立てます。調停では第三者である調停委員が間に入ることで、アドバイスや解決策の提案なども行いつつ、手続きを踏んでいきます。
その調停でも合意が難しいと判断されると調停は不成立として終了し、審判手続きに入り、裁判官がお互いの意見や事情を踏まえて結論を出すことになります。
再婚を知られて養育費の支払いが滞ったときの対処法
「再婚したことを知られて養育費の支払いが止まってしまっている」などというケースをたびたび耳にします。そのような場面に陥った際の対処法を紹介します。
自分で請求の支払いを求める連絡
とりあえず最初は、相手に支払いを催促する連絡を入れてみましょう。仮に相手が本当に支払うことを忘れていただけなら、その1本の連絡で支払いが再開されるかもしれません。
強制執行による差し押さえ
上記のように連絡を入れても支払いをしてもらえない場合は、相手方に対し、強制執行という手段をとることになります。強制執行は、公正証書で決められたとおりに養育費を支払わない人に対し支払を強制する制度として、存在しています。
そして、上記でも説明しましたが、話し合いの段階で公正証書を作成しておけば、裁判を滞りなく進めることができ、強制執行を行うことができるので、養育費の支払いに関して前もって証書に残しておくことが大切になります。
まとめ
養育費は、子どもが健全に成長して自立するまでに必要不可欠な大切なお金です。離婚しても親であるのなら、養育費は支払う義務があります。そのため、子どものためにも養育費はしっかりもらって育成のために活用しましょう。
とはいっても、養育費関係の問題点はとても多く複雑なこともあるため、トラブルも後を絶ちません。そのため、養育費について困ったことがあれば、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士の方ならば、それぞれの状況に応じたアドバイスをしてくれて、力になってくれるはずです。この記事が少し養育費で困っている方の力にでもなって、参考になったと感じていただけたら幸いです。