養育費保証サービスは違法?デメリットがあっても利用するべき?
公開日:2023/02/15 最終更新日:2023/08/25
養育費の不払いに悩んでいる人も多いといわれています。不払いが発生したときに、養育費を立て替えてくれる養育費保証事業が立ち上げられました。しかし、養育費保証サービスは違法なのではないかという意見もあるので、利用する際には注意しなくてはいけません。メリットとデメリットを充分に考慮し、利用を検討してください。
養育費保証サービスは違法となる?
養育費の不払い問題は、社会問題のひとつといわれています。そこで、養育費を受け取れないことで悩みを抱えている方を支援するために、民間企業が立ち上げたサービスです。
しかし、養育費に関する内容を、相手と交渉したり履行協議書を作成したりする行為は法律事務に該当し、弁護士以外が行ってはいけません。そのため、違法ではないかという意見があるのです。
もし、違法と判断されてしまった場合、利用者が罪を問われる可能性は低いですが、サービスを受けられなくなってしまう恐れがあります。すでに支払っていた保証料も返還されないかもしれません。契約内容に不明点がある場合は、安易に申し込むことはやめたほうがよいかもしれません。
養育費保証サービスが弁護士法に反しているのではないかという注意文書も発信されています。保証会社が違反していたとしても、養育費を支払ってくれるなら問題ないと考える人も多いでしょう。
しかし、注意文書が発信されているということは、サービスが中止される保証会社が出てくる可能性があるのです。そのため、保証会社選びは慎重に行う必要があります。
養育費保証を利用する前に知っておくべきデメリット
養育費を受け取る側であればメリットが大きいといわれていますが、利用する前に知っておくべきデメリットもあります。デメリットについて理解しておくことが重要です。
相手に利用することを強要できない
民間サービスのため、相手に利用することを強要できません。相手が拒否してしまえば利用することはできないのです。さらに、裁判でサービスを利用することを強要することも法律で認められていません。利用する前に、相手と話し合いをして同意してもらう必要があります。
審査に通らない可能性がある
支払う人が、保証会社の審査に通らなければ利用できません。収入や勤務先によっては審査に通らない可能性があります。また、借金などが原因で離婚した場合は、そもそも利用することが難しいでしょう。
保証料を支払う必要がある
サービスを利用するためには、保証料を支払わなくてはいけません。保証料は保証会社によって異なります。利用する前に複数の保証会社の保証料を確認し、相場を知ることが重要です。保証料が適正なのか分からないまま利用してしまうと、知らずのうちに高い保証料を支払ってしまうかもしれません。
途中で解除されてしまうリスクがある
月々の保証料や更新料の支払いを怠った場合や、保証会社の事業が停止したり経営破綻してしまったりすると、契約途中でも解除されてしまう可能性があります。保険料や更新料の支払いが数回しか遅れていなくても、すぐに解除されてしまう場合もあるでしょう。
短期間で契約を解除されてしまうと、利用した意味がなくなってしまいます。事前に契約内容をしっかり確認しておくことが重要です。
債務名義が必要になる可能性
債務名義とは、判決、審判、調停、公的証書などの直接強制執行に用いることができる書類のことです。単なる合意書は債務名義には当たりません。
債務名義がないと回収に手間がかかり、回収できないリスクも高くなります。保証会社は、最終的に求償権を行使して立替払いした教育費を回収しなければならないので、ある程度回収可能性の高い債務名義アリのケースだけ取り扱うこととしている場合もあるようです。
未払いがある場合には利用できないケースも
未払いがあるということは、回収コストが大きいということなるからです。また、未払いにより債務不履行となってからでは、非弁行為に該当してしまう恐れが強いので利用できないケースが多いようです。
デメリットがあっても養育費保証を利用するメリット
養育費保証サービスを利用するといくつかのデメリットが存在します。しかし、利用することによるメリットもあります。自分とって本当に必要なのか、慎重に検討することが重要です。
養育費の不払いを防げる
養育費を支払うことを決めていても、途中で支払ってくれなくなる可能性もあります。支払いを請求しても相手が応じてくれない恐れもあります。
保証会社が代わりに支払ってくれるため、支払者から回収できなくても手元にお金は入ってくるので、安心して生活できるという点では大きなメリットといえるでしょう。きちんと養育費を支払ってくれるのだろうかという不安を緩和させられるのです。
支払人と連絡をとる必要がない
もし養育費の不払いが発生しても、自分で支払人に連絡をとる必要はありません。保証会社が元配偶者に通知してくれるのです。元配偶者とやりとりすることにストレスを感じてしまう人もいます。
また、養育費のために元配偶者との関係を継続させたくないと考えている人も多いでしょう。これらの負担を軽減できることは大きなメリットといえるでしょう。
法的手続きの必要がない
養育費の不払いによる法的手続きをする必要がなくなります。弁護士へ依頼する方法もありますが、必要書類を用意する手間や弁護士費用などがかかります。手間や時間をかけずに養育費が手に入る養育費保証サービスは、メリットといえるでしょう。
まとめ
養育費保証サービスは、養育費の不払いが合った場合に、保証会社が代わりに支払ってくれるサービスです。養育費の不払いに悩んでいる人にとっては、助けになるサービスです。
養育費の不払いを防げ、支払人と連絡をとる必要がなく催促するストレスから解放されるというメリットもありますが、デメリットも多く存在することを理解しておかなくてはいけません。また、保証会社によってサービス内容や費用、条件などが異なるので、保証会社選びは慎重に行うことが重要です。